『clock chime』
時計の秒針に翡翠の球を吊るし、
秒針が回転し時計が時を刻むと、
5秒ごとに吊るした金属管に触れ、
チリン、と微かな音を奏でる。
金属管は長さを調節してあり、
秒を追うごとに音階が深く響く。
制作当初は、静けさの中に微かに響くことをイメージしていました。
本作は造りも繊細ですが、在り方も繊細なように感じていました。
しかし完成し撮影となり、静かな環境では撮れませんでした。
そこで逆に浮かび上がってきた本作の在り方がありました。
繊細と思われた微かな音が、
車の騒音も、何もかも透き抜けて、聴こえてきたのです。
きっと周波数か何かのせいなのかと思いますが、
隣の部屋に居ても聴こえてきました。
繊細でつつましいものは、けして、
優しく弱いあやういものではない。
一見目立つ大きな騒めききよりも、
時に強く、刺すようなものだと。
どんな境遇でも神聖な空気を創り出す。
そのように己も在りたいと教えられた作です。
2017年5月発案試作。
2020年11月12月制作。
©︎Akane Otsuki
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仕様説明
・本体は箱状になっており、
その中に時計の動作部が入っています。
箱の上部を外し、電池の入れ替えができます。(画像5,6)
・箱背面にある穴をネジにひっかけ、壁へ固定することができます。(画像9)
・全てが作者の手仕事となっており、一点ものの作品となります。
・受注も承ります。ご相談ください。